2026 年の Q2 は、前四半期の熱狂が「数字」として現れる三ヶ月になる。生成 AI ブームの投資フェーズから、それが業績にどう転写されるかが見える段階だ。同時に、各国の AI 規制が具体フェーズに入り、Cloudflare / Vercel / Fastly といったエッジプラットフォームの差別化競争も本格化する。

1. 半導体: H100 続々退役、B200 は供給制約続く

NVIDIA H100 の商用運用はピークを過ぎ、各ハイパースケーラーは B200 (Blackwell 世代) への移行を進めている。ただし B200 の供給は相変わらず逼迫、2026 年末まで待ちが出る状況だ。一方 AMD MI350 と Google TPU v6 が「sub-primary」の位置を確保し、3 極化が進む。

モデルアクセラレータ学習推論
H100NVIDIA20222023-2025
B200NVIDIA2024-2026-
MI350AMD2025-2026-
TPU v6Google2026-2026-
主要アクセラレータ世代と運用時期 (2026 Q2 時点)

2. AI: オープンウェイトが本線へ

2026 年 Q2 の AI は、クローズド最前線 (GPT-5.4 系) と、オープンウェイトの高速追従 (Llama 4 系 / Mistral) の 2 軸で動く。エンタープライズ採用は徐々にオープン側へ寄り始めており、「自社 VPC でホスト可能 = コンプライアンス要件を満たせる」が鍵になっている。

クローズド LLM の性能優位は確実に縮んでいる。価格 × 運用柔軟性で、オープン側の採用は加速する
— 岡田 澪 · 外部寄稿者

3. エッジ: Cloudflare、Vercel、Fastly の差別化

エッジプラットフォーム各社は、2026 Q2 を「差別化が見える期」にすると公言している。Cloudflare は Workers AI / R2 / D1 のバンドル戦略を深化、Vercel は Next.js + AI SDK の統合を推進、Fastly は Compute@Edge + Cloudinary 買収後のメディア最適化で攻める。

4. 政策: 日米欧で AI 規制が具体化

Q2 は政策面でも節目だ。日本のデジタル庁は 5 月に「生成 AI ガイドライン 2.0」を公表予定、EU AI Act の高リスク条項施行は 6 月、米国は大統領令 14110 の実装段階に入る。エンタープライズは自社プロダクトが「どの条項に当たるか」の整理を早期に始めておくべきだ。

連載ナビ · 本特集は「2026 年のテック潮流」連載の Q2 展望回。次回 (Q3 回顧+Q4 展望) は 2026-09 公開予定